「おひとりさま“大人の社会科見学”『SHUNGA春画展』」ご報告!

  • 2015.10.05 Monday
  • 18:40

 “爆弾低気圧”が通り過ぎ、すっかり、すっきりと晴れ渡った先日の午後、話題の「SHUNGA 春画展」へ行ってきた。本来であれば、皆様に声をかけ、団体で行っても良かったが、絵画展だから、大人数で騒がしいは無粋。観覧者の迷惑になるというもの。こっそり、ひっそりと、最少最大催行人数1名、おひとりさまで“大人の社会科見学”をさせていただいたのだ。
 
9 19 日(土)から12 23 日(水・祝)まで、東京・目白の永青文庫で開催されている同「春画展」、日本で初めての“春画”の展覧会である。プレスリリースを一部引用すると、“海外からは大英博物館、およびデンマーク、また日本の美術館や個人コレクションより、 鈴木春信、月岡雪鼎、鳥居長秀、喜多川歌麿 、葛飾北斎の浮世絵の大家たちによる作品や徳川将軍や大名家の絵画を担った狩野派の作品など、大名から庶民 にまで広く愛された春画が一堂にそろった展示会”だ。「春画名品」、133 点(前後期)を「プロローグ」「肉筆の作品」「版画の傑作」「豆判の世界」、「エピローグ」と、 5つの章に分けて展示している。
 
 
地下鉄・有楽町線の「江戸川橋駅」を下車して、出口を地上に出て神田川を超え、急な坂道を駆け上る。近くには椿山荘や獨協、学習院もあるというお洒落な街だ。緑も多く、空気も澄む、山手の佇まいである。 駅から徒歩15分ほどだが、会場の永青文庫は目白台(だから坂道を上る!)にある。江戸時代から戦後にかけて所在した広大な細川家の屋敷跡の一隅にあり、昭和初期に細川家の家政所(事務所)として建設されたもの。細川家に伝来する歴史資料や美術品等の文化財を後世に伝える目的で財団法人として設立された。1972年から一般公開を始め、73年に博物館法による登録博物館となり、現在に至っているという。毎年、4つの会期にわけて美術工芸品を中心に公開展示しているそうだ。
 
 
同所の理事は細川護煕。今回の春画展の主催者でもある。細川はかつて「日本新党」を率い、第79代内閣総理大臣となっている。現在は陶芸家として活動しているが、2014年には小泉純一郎の推薦を受け、脱原発を掲げ、東京都知事選にも出馬している。肥後熊本藩主だった肥後細川家の第18代当主でもある。
 
 
春画は猥褻か、アートか――議論されることが多く、同展の紹介記事などでも触れられている。ここではそんな理屈っぽい、野暮なことは敢えて抜きにして、春画を愛で、楽しむことをお勧めしたい。
 
まずは平日の午後、それも閉館前の時間だというのに人の多さに驚かされる。入場制限などはなかったが、展示を順番に見るには並ばなければならない。順番に見なくても構わず、すいたところから見ればいいのだが、それでもじっくり見るにはかなりの時間がかかるのだ。
 
老若男女(勿論、18歳未満入場禁止!)が幅広く集い、学生から会社員、芸術家、隠居まで(職種は調べたわけでなく、なんとなく見た目の印象でしかない)、種々雑多。一人ではなく、カップルや友達、グループで来ているという人達もたくさんいた。一人で、じっくりと見るものと勝手に想像していたが、その活気や盛況ぶりは、まったくの予想外。
 
その艶やかな色彩感覚に目が眩む、精緻な筆致、巧みな刷り、洗練された彩色に感嘆させられる。ゴッホやモネ、ピカソ、ロートレックなどが彼らから影響を受けたというのも頷ける。特に海外から高い評価を得ているのもわかる。
 
性器が露出したものや結合しているものなど、あからさまなものが多いが、その表現の豊かさと構図の妙に引き込まれる。歌麿や北斎、春信など、いわゆる大家の作品は“美術品”や“芸術作品”としての品格に圧倒されてしまう。
 
春画は江戸時代に「笑い絵」とも呼ばれ、性描写と笑いが同居したユーモアで芸術性の高い浮世絵のこととされている。それゆえかわからないが、見ていると猥褻性よりも娯楽性が際立つ。面白く、おかしい(勿論、いとおかしな風情や趣もある)。会場では笑い声も聞こえ、笑顔もたくさんあった。
 
 
男女の絡みだけでなく、男色、女色、混交、獣姦、自慰、張り型……など、多種多様、種々雑多な性癖や性欲が描かれる。なんでもありという性に対する大らかさに感心することしきり。かつての日本、文明開化以前は、性に対して、いかに開放的であったかを覗わせる。ある意味、性は生に通じる逞しさがあり、その様は神々しくもあるのだ。
 
かつて、『デカメロン』や『カンタベリー物語』など、パゾリーニの艶笑喜劇的な作品群(セックス大作映画とでもいうか)が日本の“若者たち”の股間を直撃、鼻血ブーにさせたこともあったが、それだけでなく、スクリーンから溢れ出る生気や精気(性器ではない!?)、その迫力に圧倒させられたという昔の若者も少なくないだろう。
 
 
そんな青春時代を甘酸っぽく、プレイバックしつつ、純粋に春画を絵画として楽しみ、古の江戸や上方の“風俗”に憧憬を抱く。
 
大人の教養やたしなみとして、春画から性のありように思いを馳せるのがよろしいかと思う。まさに大人の社会科見学としては絶好のイベントではないだろうか。
 
 
ちなみに物販コーナーを覗くことをお勧めする。豪華図録(4000円!)からポストカード、エコバッグ、Tシャツまで、いずれも可愛らしい。Tシャツなどは秘部のところがポケットで隠れ、モザイク代わりになっているから普段でも着用可能。安心していただきたい(!?)。また、春画をプリントしたトランクスなんていうものもある。これがポップなのだ。飲み会などで、パンツ姿になる際には“歌麿トランクス”や“北斎トランクス”がお勧め。受けること、必至である。
 
 
皆様もおひとりさま“大人の社会科見学”で、永青文庫の「SHUNGA 春画展」へ繰り出してみないか。見学を終えたら、117日(土)は「大人の学校」第4回公開講座「「大人の“心技体”――心と体を知り、技を極める」(ゲスト講師・うかみ綾乃+小室友里)へいらしていただきたい。粋で鯔背な大人の恋愛やセックスを学んでいただきたいものだ。
 
 
SHUNGA 春画展」
http://www.eiseibunko.com/shunga/ 
 
「大人の学校」第4回公開講座「「大人の“心技体”――心と体を知り、技を極める」
http://school4adult.jugem.jp/?eid=49 
 
 
 

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